Postmodern architecture and
concepts of space 〔D班〕

発表日:平成14年5月29日
担当者:船越瞳・久保田早紀・松田尚吾

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〈要約〉
Introduction

  建築は最初にポストモダンの主題を論議し、定義された領域の一つである。 1960年代に、何が近代建築に代わるかと言う議論が注目され始め、 はじめ、生活空間に関する議論はあらゆる専門家たちだけのものだったが タブロイド紙上での抵抗をうけ、一般大衆の都市空間の建造物に関する意識 も高くなった。

〈Modernist architecture〉
@ もっとも影響を与えたモダン建築家
Walter Gropius
Le Corbusier


Le Corbusierの主張
  • 近代建築を統括する特性は有益性と機能主義であるべきだ。
  • 近代の建築様式の問題は幾何学模様の解決を持つべきだ。 
  • 私たちは無意識に知覚をもつ。よって、無形、欠乏、無秩序、故意は、 人にとって根拠のないことである。

Le Corbusierの建築の特徴

  • 低コスト        大量生産           
  • 合理性    →    機能主義の保守
  • 標準的建築       19世紀の装飾様式への抵抗                      ↓ 
  • 大衆のための建築促進
  • 建築は単なる新たな社会の反映ではなく、新たな社会のなかで、 決定力のある機関である 
    例)Unite d'habitation(By Le Corbusier)

A International Style

  バウハウスのル・コルビジェの建築論術や、CIAMから現れる

International Styleの特徴

  • 世界中の建築界を支配する純粋主義で客観的な表象
  • 戦後、特に西ヨーロッパ、北アメリカ日本、南アジアにもっとも影響を与えた
  • 地域性が無い
  • 簡素で反復の多い基準寸法デザイン
    例)
  • Mies van der Rohe のCicago,Lake Shore Driveのアパート
      →  International Styleの妥協のない簡潔さを例示
  • Seagram Building (in New York)


B モダン建築の3大特徴
  1. reductivism(縮小、削減)
    禁欲的な幾何学模様によって様式は形式の語らいから離れる
  2. determinism(決定論)
    合理的で機能本位なアプローチが建築に対してとられる
  3. mechanism(機械仕掛け)

C モダン建築の結末

  大衆向けの住居、ビジネス街のデザインを目指したにもかかわらず、 大経済や国際的資本主義という非人間主義のための専門技術者の記念碑に なってしまった。


〈Postmodernist reaction〉
@ モダン建築に異議を唱えた人々

  Charles Jenks, Jane Jacobs, Tom Wolfe

A 建築における近代化の失敗原因
  • 受け入れられにくい建築理論の性質
  • 組織の資本主義の影響を受けない建築家を集めることができない
B ポストモダン建築の台頭

John Portmanの巨石のホテルBonaventuer Hotel

人の体が位置すること、目下の環境を認識的に組織すること、 地図になる外の世界にその位置を認識的に地図にするための個々の人体の 能力を超越することに成功した全く新しい`Postmodern hyperspace'の発展 の始まりであり、シンボルである。

Fredric Fameson

Bonaventuer Hotelの町からの分離・・・その巨大さや表面のガラスの反射
   ↓               (超越)による分離
International Styleの町からの分離・・・暴力、可視、本当の象徴的意味をもつ
                     (相対による分離)

  近代建築への抵抗として、ポストモダン建築は明白なPop styleを 取り入れ、歴史的伝統を引用したり、模倣するようになった。 


〈What there is to learn from Las Vegas〉

Ventriの主張
  近代建築の普遍的推進を拒み、地域性や、歴史性に根ざした建築、 建築の意思疎通性主張し、日常性を建築に称揚した。
  
例)Franklin Court

〈Charles Jencks and 'dual-coding'〉
@1960年代、アメリカで歴史主義が出現した。

例)AT&T Corporation Headquarters Building →  歴史的暗示と明白な象徴主義

Aポストモダン建築の起源

  1950年代後半、イタリアのNeo-Libertyに由来すると見ることができる。
               ↑
  どの建造物にも曖昧さ、ローマ中世バロックへの歴史的暗示の跡を残している。
  一方で、近代建築の影響を受けていない。
   ↓
  歴史両価性=ポストモダン建築の主要な特徴
   ⇒  2つの記号論的段階に働く

  • 他の建築と建築学の意味の明確化を気にかける少数派を扱う
  • 全体として、慰めや人生の論点に関心がある一般大衆や、地元の住人を扱う
    Charles Jencksがポストモダンの二重構造とか精神分裂症と呼ぶもの
                          皮肉や模倣にしかならない
C ポストモダンが指し示すもの
  • 自己の反射的な引用、歴史的特徴、地域性の皮肉的な利用
  • デザイン中の隠喩の質を功利的にする
  • 様式の交配(hybrid)や多様性を含む
  • 新たな多義の空間を建設する
D 各建築家のポストモダン観

Jenks, Stern, Paulo

⇒ 建築が歴史的に生まれたところへ帰ったり、伝統的形式の新しい 統語的なコンテクストのなかで再利用されることで、一連の作品や企画に 深い'違い'ができてくる。

〈建築言語〉

イギリスの建築

ジェームス・スティーリング

地方都市のコンテクトの中に古いものと新しいものが混成=「混成の美学」
「都市の古典主義」←モダニズムの伝統としてのルネサンス

  • ヴェントリ:ハイテクな素材と装飾的シンボル

  • フォスターとロジャーズ:
    ヨーロッパ、北アメリカ、日本からポストモダンのニュースタンダードとスタイルを取り入れる
    「都市の類型学と否定のスタイル(一致の反対)」

  • O.M.ユンガース:
    反対建築=赤煉瓦ではなく、ガラスを使用 (幾何学上の組織と変形が心配)

  • クリー兄弟:
    社会的政治的要素を取り入れることで都市の古典主義に影響を与える
    (公共の場と小区画プラン)
     建築の意味論は歴史や理論的意味づけからは逃れられない

……将来は

建造物は隠喩と直喩を役立てることになる
言語=体の一部として符号化
建築は体に沿ったもの(神人同型説:神、自然は人同じ形を持つ、 人は自然が形作ったものである)として作られる


(脱構築建築)

チュミとアイゼンマンによるデリダの解釈

建造物の従来の統語論と図象学を分散させるもの=「分裂の美学」
建築=住居という制約をなくす
建築従来のコンセプトが規律に支配されるのを妨げる
内側と外側の境界に挑戦

以上をふまえて、

アイゼンマン

建築は過去や歴史から完全に逃れることはできない
自己意識が空間の組織と社会運動の創造を表す

チュミ

どのようにして建造物の空間が無意識の欲求と人間の官能的な外観を形成す るのか?これは、建築が人間の身体とともに分析されることが多いことから、 そのつながりを明らかにしたいという疑問。
身体は流動的で一定しておらず、空間に激しさを与える。 それは建築の「目を楽しませるべき、と同時に体に心地よい」美的な 感覚には無視されるものである。

混乱か安らぎか?

ポストモダンの建築は多様なものをすべて包括するものである。
「地域主義」となっていく=神話は回避しても異なる文化の伝統には 可能性を求める
ポストモダンはモダンの法則や理論ははねつけるが、その土台と発展は モダンが作り出したシステムに頼っているのでは?

(Key characteristics of postmodernist architecture)

Characteristics of modernist architecture

    1. 機能主義
    2. システム・コードの美しさの追求
    3. high culture からの源
    4. rationalism, standard space, regular geometric spaceの追求

Characteristics of postmodernist architecture

    1. 形式主義(よりaesthetically, complex, playful, fantastic)
    2. はば広い様々なstyles, traditions, codeを利用
    3. high &low cultureの区別をなくす
    4. rationalismを捨て、normal categories of time space とsocial and rational categoriesを停止
    5. architecture's anthropomorphicをパロディー化 (モダンの形跡を消すために強調)

(Postmodern architecture : Some example)

@ Neue Staatsgalerie, Stuttgart(James Stirling)
→ a collection of quatation(引用のコラージュ)

A Fin D'Ou T Hou S・Wexner Center for the Visual Arts in Columbus(Peter Eisenman)
→representation(具象性)を拒絶しartificialityを明らかにする
→art とarchitectureの創作を通じて建物は記憶の断続的変形を申し出ようとしている

(Spatial experienceand geography)

論点
@ 多くの地理学者の考え
A ポストモダンの空間の経験についての議論

  • modern era: temporality

  • post modern era: spatialityによって支配→space is the new cultural dominant.

  • Jameson:"Space is for us an existential and cultural dominant"
       →the politics & the cultural function of geography & the importance of placeは多くの理論家によって反論され主張される

  • Faucault
    →20世紀は19世紀のtemporalityをともなったobsessionの訂正を 引き起こした

  • Derek Gregory
    →theories of spaceの増殖はurban / geographical spaceにおける意識と主観性の組織の展望を開いた(Spatialisation)

  • Mike Davis , Dayan Sudjic , Sharon Zukin
    →postmodern urban spaceでのsocial-economic cultural studiesの多さ
    →primarily representations & imagined environmentsに関して 
      都市は資本組織の中での構造的変化の反応のなかで現れる新しいモデルと メタファーとしての再想像を必要とする

  • Henri Lefebvre
    →空間は経済生産の分析での重要な構成要素である
    →マルクス主義からポストモダンの空間理論を批判するが、 結果として歴史分析は生産を囲むようなspatialisationのpoliticsを 無視できない
    →space is produced and reproduced

    ◎modeの生産を論じることでthe illusions of the naturalness and transparency of spaceをdeconstructsしspatialitiesのタイポロジーを 建てる

  • Soja
    →ポストモダンのなかに新しいspatialityへのターンがあり、 結果は異なり社会的主観や存在論の新感覚である
    1. どのように空間は隠されるのか
    2. どのように権力と規律の関係が明らかに無実な社会空間のspatialityに記されるのか
    3. どのように人間地理学がpoliticsとideologyで満たされるのか

    を気づかなくてはだめである

    ◎Thirdspace =a multiplicity of real-and-imagined place

  • モダニズム: a complete rationalism in all sites of everyday life
     ↑挑戦(ポストモダニズム)

  • David Ley
    →urban designのなかでキュビズムのグリッドからa sense of spaceまでの 移り変わりはポストモダンの建築として知られるようになった 複数のスタイルのなかで空間の理論の複雑さの注目を明らかにした
    →ポストモダンのsymbolic communicationとして、 意味の回復の試みやその時代の人間のプロポーションに根付くことは 個性を失わせることや標準化によって支配される

  • Gillian Rose
    →spatial構成はmail-centrednessへの役割を果たし、 フェミニズムの空間や建築は稀
      つまりfeminist geographyを模索

  • Massey
    →個人的なパースペクティブは普遍的、 具体的に白人・男性へテロセクシュアルになる
    二人の意見:普遍的男らしさのスクリーンの後ろにある違いを隠さない 地理学を探す

  • bell hooks
    →thirdspace:alternative spatiality of continual disruptionを定義
    →the space of radical openness is a margin、locating oneself is necessary

    ◎新しいpoliticsやidentityの空間のアレンジを促す
    =他の混乱した空間に関連している多くの議論と一致している


〈考 察〉

  規格化され、制約が強かったモダン建築の台頭により、 人々の想像力は乏しくなった。
一方、ポストモダン建築においては利用者や見る側は作品について 自由に能動的にアプローチすることができる。よって、人々の想像力が 豊かになることが期待される。 

  モダンで画一化された建築は、ポストモダンを求める人々の手で意味的 にも実際にも自由な、制約のないものにしようと試みられている。
  しかし、それは細分化され枠組みを多くしているだけで、モダニズムから 解放はされていないのではないか?そもそも、モダニズムを意識し それへの反発という動機自体がモダニズムであるともいえる。 モダニズムがすべてに影響していると考えてしまう限り、 終わりなく続いていくのだと思う。

  ポストモダニズムの建築は長い間続いてきていたモダニズムの建築に対して 、一つの挑戦状を付きつけた。建築の他にもこれまでに、 visual art やfilm, video ,televisionなどにポストモダニズが現れている のはすでに学んだ。こうした様々な挑戦状を結びつける共通した糸は 表現のより豊かな展開への願望ではないだろうか。

  美術家、芸術化、作家および建築家は皆、より幅広い受け取り手との関わり を望んでいるに違いない。僕達が住み、生活している社会とういものは それ自体、趣味の文化の多元性に向けて進化しているし、 僕ら自身もまた個別に試み、消費し、楽しむといったいろいろと異なった 生活様式によって影響を受けなければならないものである。
  つまり現代はそれぞれの過去(地域的なものも含め)と、国際的に広がる ものを同じに見据えて新しい世界を形作っているのである。

〈疑 問〉

  規格化されておらず、大量生産に向かないポストモダン建築が 各家庭の住居となること難しいだろう。 すると、ポストモダン建築家は生活のために、顧客のニーズに合った 設計をしなければならなくなる。 こうして建築家自身のアイディアが全く取り込めなくなったとき、 建築家は自分の中の芸術性・デザイン性を保てるのだろうか?
  それとももともと芸術性デザイン性など考慮しないのだろうか?