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私たちは絵画をどのように理解しているのか
本演習ではこれまで、芸術・建築・デザインの分析や精神分析の研究や、精神分析学を参考にした「思考のパフォーマンス」の研究などを行ってきています。本年もその流れを汲みながら、芸術の中でも特に「絵画」に焦点を当て、その絵画は作家によってどのように描かれ、そして私たちはその絵画をどのように見ているのかを考察していきます。
私はたちは絵画の前に立ったときに、まず私たちにはその絵画の色味や表面の質感などの全体的な印象が入力され、次にその絵画の中はに何がどのように描かれているのかをいろいろな箇所に目を動かして入力し、その絵画は「何を描こうとしているのか」「何かを表現しようとしているのか」と考えます。もし、絵画を見ることに慣れていなければ、全体的な印象が入力された時点で「好き」or「嫌い」という情動でその絵画の判断をくだします。また、過去に見た人物や風景、他の作品などとの比較が行われ、先の情動に変化が生じるということもあります。
本年度は、前期は批評活動も行う画家ジュリアン・ベルの『絵とはなにか』を中心に、絵画は画家によってどのようにして描かれようとしているのか、そして描かれているのかを描く側の視点で考察していきます。そして後期では、エリック・R・カンデルの『なぜ脳はアートがわかるのか』を参考に絵画はどう理解されているのかを脳科学の視点から考察しながら芸術の研究を行っていきます。
この研究では、できるだけ多くの絵画作品を見ながら作品を考察し、それぞれが分析的視点で言語化できるようにしていきます。また、絵画以外の芸術作品についても鑑賞し、考察できる機会も考えていきます。
◆2024年度は、森村 修教授が在外研究に出ますので、2001年から本演習に参加している川村たつる兼任講師(フリーランスデザイナー)が、これまでの本演習の流れを組みながらグループ研究、個人研究の指導を行います。
次年度からは通常通り、森村教授が演習全体の統括と理論指導ならびに論文表現を担当され、川村兼任講師はおもに個人研究の作品制作について直接的な指導を行う予定です。